プロジェクトNo.21 広告と記事のどちらが信頼できる?
■両者を見ると面白いことに気づく。
記事側の上位に来るのは「記事のメリット」であるのに対して、広告側は「記事のデメリット」が上位に来るということだ。つまり、広告を選ぶ理由は、広告自体のメリットよりも、記事のデメリットによって成り立っているということが言える。
うがった見方をすれば、消費者にとって広告は購買動機に成りうるが、その理由を問われれば広告そのものに特記すべき利点はさほど見いだせないということになる。現に、「広告は直感的・感覚的に訴求してくる」と答えた人が多かった。
なぜだか分からないが、その広告をよく記憶しているため、CMなどで観ると思わず欲しくなり、購買に結びつくということであろう。
しかし、これは有名な商品・サービスに限られる。社会が認知している既存の商品・サービスを反復的または断続的に利用したくなるように仕掛けられているのが、広告という手法である。
一方、記事は、広告のようにお金を出せば、法律に抵触しない範囲での多少の誇張表現であっても掲載できる情報とは一線を画す。記事はつねに「真新しいもの」「社会的なもの」に光を当てる。
まったく新しい商品・サービスを紹介する記事を読んで、その商品を「もう一度欲しい」とは誰も思わない。新しい情報や社会的に意義のある情報を提供するのが記事の役割であるから、広告のように消費者を二度三度と購買に向かわせる「連続性」「常習性」はない。
人ははじめて何かを体験するときはゆっくり時間をかける。慎重になるのだ。しかし、一度体験したものを二度、三度体験することに対してはさほどの抵抗を覚えない。
記事と広告の違いはここにある。

広告とPR(記事など)に関して深い示唆を与えてくれるアル・ライズ氏の著書「広告でブランドはつくれない」(共同PR株式会社)によれば、
- 「広告は北風、PRは太陽」
- 「広告は立体的、PRは直線的」
- 「広告は映像、PRは言葉」
- 「広告は誰にでも、PRはキーパーソンに」
- 「広告は短命、PRは長寿」
- 「広告は既存ブランド名向き、PRは新ブランド名向き」
- 「広告はおかしく、PRはまじめ」
- 「広告は信頼されない、PRは信頼される」
- 「広告はブランド維持型、PRはブランド構築型」
とある。
知名度ある商品・サービスを顧客に認知してもらうことが難しい中小零細企業にとって、自社の事業を認知させるには記事などのPRが向いている。しかし、ひとたび顧客市場に認知されたら、その知名度を維持するために広告という手段を利用するのが妥当である。
ライズ氏は、広告とPRの役割・使い方を正しく理解しないと、事業そのものの方向性を誤ると警鐘を鳴らしている。
今回の消費者アンケートでも、このライズ氏の提言が正鵠を射ているということが明らかになった。
宣伝広告に多大な費用を投じて資金繰りに苦しむ中小零細企業にとって、この統計結果は大きな疑問を投げかけることになりそうだ。(執筆:曹堆良)

